Column
2026.07.04
2年前の話。当社事業部には転職エージェントがある。
仕事を探しにくる人に対して相談に乗り最適な仕事を紹介するという流れになるのでどうしても属人性の高い仕事だ。
この人から言われるなら受けてみよう。知識・人間性・営業力。
様々な力が必要となる。
だからこそ転職エージェントを行う転職エージェントを募集するという、だれがだれの転職を支援するの?という笑えない状況に陥りやすいのだ。
そんな私が優秀人材の獲得に向けて予算100万円を大手媒体に突っ込んだのに応募0で終わり、100万損した話を書こうと思う…

誰かを採用したい!という時、現代はあまりに手法が多岐にわたり過ぎている。
毎日SNSの営業はくるし、だれが聞いた事あるんだ?という媒体の問い合わせもある。
ただ主にメインとなる母集団形成方法は
① 媒体に掲載して応募が来るのを待つ
② 転職エージェントへ依頼して候補人材をピックアップしてもらう
の2択になってくるだろう。
転職エージェントが、転職エージェントを採用するために、転職エージェントへ依頼する。もはや誰が誰の転職を支援しているのか分からない、状況は避けたかった。
①の掲載型媒体で何か良い手は無いかなぁとリサーチを続けた。
だって私が転職エージェント側だったら良い転職エージェントになりそうな人材は自社で囲うもの…。
すぐに採用したかったし、まぁ掲載したら応募は来るだろう。みたいな感覚で掲載を開始した。
最近だと製造業専門の媒体や、営業職専門の媒体も出てきている。
専門という看板にするだけで信頼性は上がるし、広告費も尖らせて当てた方が効果的なので個人的にも納得だ。
ただ残念ながら転職エージェント専門媒体は無かった。
そのため皆がイメージできるとある大手媒体に掲載する事にし、営業担当にすぐ連絡を取った。
待ちに待った営業担当との商談日。
さすが大手。シミュレーション資料もしっかり携えている。
このプランだったら応募は〇件来る見込みです。
このプランだった〇件です。
過去の成果や登録者から算出した数字を元に根拠を踏まえてプラン提案をしてくる。
担当が最後に一言。
エージェントに頼んで高額な紹介料払うくらいなら、〇〇プランで掲載して、2人採用を目指しましょう!そうすれば採用単価50万円ですよ。
「おー、数字的根拠も元に言われると説得力があるなぁ。
よし決めた!一度掲載してみよう!」
掲載型の営業マンの良いところは、やっぱりどういう掲載か見えるし、過去の他社事例も多いのでイメージがしやすい。
本来無形型営業である採用を有形商材としての営業に出来るから顧客としては分かりやすいと思う。
……取材や、写真撮影。100万円プランにふさわしい掲載だ!
そんな中始まった掲載の結果は、、、、応募0という悲惨な結果だった。採用0ではない、応募0だ。
さすがの私も応募0で終わる事はあまり経験が無かったので、あの手この手で媒体のテコ入れを提案したのだが、先ほど書いた、本来無形商材である採用が有形商材である媒体になっている弊害として
【掲載したら変えられない】という状況になってしまった。
結果を踏まえて4週延長するなど頑張ってくれたが、さすがに0に何をかけても0なわけで…
途中から諦めに変わっていたけれど、取材や写真撮影に協力してもらった皆に申し訳無かった。

応募0という結果で終わったのは、世の中のユーザー心理をなめていたという一言に尽きる。
時代は変わったのだ。
ジャーニーマップという図で例えると昔は
認知~興味関心・比較検討
を媒体の中で行うことができた。媒体にユーザー登録をすると希望の類似求人も出てきてエリア比較や求人比較をその中で行い意思決定を媒体の中で行っていたのだ。
ただ現代は情報収集を複数のチャネルを横断することが当たり前になっている。
これは採用に限った話ではない。
例えば飲食店を探す時。
良いお店が無いかサイトで探しているとしても口コミを見たくてGoogle口コミに飛んだりクーポンを見たくてHPを見に行ったりする事だってあるだろう。
ユーザーの情報収集リテラシーが高まった結果、複数のチャネルを見る。という行動はスタンダードになっているのだ。
ユーザー(求職者)側の心理描写を想像しながら募集活動を行わないと結果応募0や応募があっても歩留まりが悪いか辞退が起こって終わるだろう。
まずやらなければいけなかったのは採用戦略から逆算する設計だ。
例えばこの人材採用に100万円の予算があるとして。
今後継続的に募集する可能性があるのか、今回限りの募集かによって話も変わってくる。
もし今後も継続的に募集する可能性があるのなら、予算の中から
HPを整備する費用を捻出したり、説明会パンフレットを整理したりしてweb資産やピッチ資料を整理するだろう。
その方がゆくゆく採用活動を円滑に進めることが出来るからだ。
もし今回限りの募集であれば、
転職エージェントに依頼した方がマシというケースもある。
そもそも転職エージェントに依頼するデメリットは自社採用が強化されないこと。
自社応募のパイプを潰すことだ。
けれど今回だけの募集なら自社応募のパイプが育たなくても怖くないし、むしろ代弁して口説く人を間に入れないと内定承諾を勝ち取れないという可能性もあった。
当時の私は継続的な募集ももちろん考えていたから、
そもそも短期的に今足りていない採用は転職エージェントで取りに行くか、少額のIndeedで応募認知を取りに行って、
HPやSNSアカウントの整理もしていくべきだったと思う。
昔は掲載してしまえば、認知も比較検討も取れていたので良かったけれど現代は媒体で認知を取った先を考えないといけない。
例えばお金をかけてHPを制作するだけではなく、100万のなかでも何とか差別化しようと思ったら掲載原稿の中にいかにカジュアルに情報を伝えられるかという事を合わせて掲載しても良い。
例:体験会開催中!やカジュアル面談実施中のような
他社とは違う面白い差別性(電話で5分説明会開催中みたいな)を取りにいって媒体の中からいかにライトにコミュニケーションを取るように振り切っても良い。
つまり媒体で採用をしようとするのではなく
媒体で認知した先も設計しないと採用成功にはならない。
100万円損した理由は、採用できなかったからではない。求職者が媒体だけで意思決定する時代ではないのに、媒体掲載だけで採用できると思っていたからだ。
現代社会は採用成功をしようとしたら、100万円で何に掲載するか。ではなく100万を使ってどう採用フローを整理するか。という考えが適切です。
SNSやchatGPT様々なチャネルが増えている現代だからこそ、求職者心理に寄り添って採用戦略を立てましょう。
もし良ければ私の採用AIアバターに話を聞いてみてください。
※画像クリックでアバターへの質疑画面に移行します。
